穢れなき雪の下で
「なんで二時間?
 食べ放題?」

「違うわよ。
 人気のレストランだから、時間区切って回転率よくしてるんじゃないの?
 あ、だから遅刻は厳禁なんだよー。20時集合、22時解散」

「むちゃくちゃ言うね」

俺は、ほんの少しだけ傷ついた。
そして、傷ついてから思い知る。

やっぱり、ミユに惚れてるっていうこの認めがたい事実を。

「いいじゃん。
 ちゃんと、解散時刻も決めてるんだから。
 だらだら拘束しないであげるんだから、感謝してよね」

ミユは相変わらずさばさばしてる。


そりゃそうだよな。
彼女にとって、俺はただの男友達。


もう長い間、俺の心の奥底にくすぶっているこの想いになんて、気づく由もないだろう。
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