カテキョにぞっこん!
焦った私は、シャーペンの芯を出そうと、ノック部分を必死に親指で連打していた。
ところが出てくるのは、細かく折れた短い芯ばかりで……
わーっ、新しい芯どこだっけ?
一番上の引き出しだったっけ〜??
ただガチャガチャと暴れるばかりで、引き出しを開けたり閉めたり……
「どうぞ」
……へっ?
隣を見ると、陽サマが自分の持ってきた筆箱から、芯のケースを取り出し私に差し出していた。
かっ、カッコイイ〜……
とりあえず陽サマは何をしてもカッコイイんだけど、こんな優しいことをされたら、ときめき度300%アップなのだ。
「あ……ありがとう……」
陽サマから手渡されるだけで
心臓が飛び出そう。
私は指先を振るわせながら、そのケースから芯を2本もらった。
1本は使わずに、
記念として大事に残しておくのだ。