カテキョにぞっこん!
ひょっとして、
彼女とデートの約束があるとか……
私はまたぼんやり陽サマを眺めた。
「僕ばかり見ていても問題は解けませんよ」
「ひゃっ…!はいっ!」
い、いじわるだ!
だって陽サマが、いつもと違うからいけないんじゃん!
私は少し陽サマを流し目で見ながら、恥ずかしさを堪えて問題を解き始めた。
そんな私の恨めしい視線も、当然陽サマは気にしない。
っていうか、いつも教科書の問題やノートばかりで、私の方なんて見たこともないんだから!
微妙にいじける……
「その問題が終わったら、少し外に出ましょう」
「えっ……」
陽サマは立ち上がって窓を開けた。
明るい太陽の光が、風に髪をなびかせる爽やかな陽サマを強く照らして
その光が眩しいのか、それとも陽サマが眩しいのか。
私は思わず目を細めた。
「今日は風が涼しいですから。残りの時間は課外授業です」
逆光のせいで、そんなことを言う陽サマの顔が見えないのが惜しい。
ちょっとくらい、優しい顔して言ってくれてるのかな……