カテキョにぞっこん!
ドアのガラス部分から中を覗くと
ソファーに座った母の不適な笑顔と、向かい側に座る男の人の後ろ姿が見えた。
何……?あの作り笑いは(汗)
一体誰としゃべってるんだろ。
後頭部しか確認できないけど
深いブラウンの髪に緩いパーマがかかっているあたり、軽くセットされた髪型からも
けっこう若い人物だということが予想される。
「あら、由利!
いや~ねぇ、そんなところから覗いて。みっともない!早くこっちに入りなさい」
探るように変な顔で腰を屈めていた私は、なんとも格好の悪い様子で発見された。
ギクリと体を引きつらせながらも、しぶしぶリビングのドアを開ける。