カテキョにぞっこん!

かなりのハイテンションで問題をこなしていく私。




だって陽サマと外を歩くんだもん!

周りから見たら、カップルだとか思われちゃうのかなぁ~




仲の良い学校の友達が、どうか偶然すれ違いますようにと心のどこかで願ってしまう。


羨ましい目で見られるっていうのは、たぶん気分がいいと思うのだ。









問題は奇跡的にスラスラ解けた。


外に出ると、たしかに風は心地良いけどやっぱり暑い(汗)


隣を見れば、なんとも気持ち良さそうな陽サマの横顔。

相変わらずカッコイイ。





「たしか坂を少し上ると、木陰の多い公園があったはずです」


「はい、あります!」




そう言うと、私のスピードなんて関係なく一人で坂道を行く陽サマ。

必死に距離が広がらないよう
ついていく私。




偶然友達が通っても、こんなに間があいてたら他人だ。






日差しが暑い……



「由利さんは僕に聞きたいことがあるようですし、僕も由利さんのことで知りたいことがいろいろあります」


「は……い……」




は、早い……(汗)


すでに私に見えているのは、
ずっと地面だ。

もう陽サマの
背中を見上げる力も危うい。


でもっ!陽サマが知りたい私のことって何!彼氏はいますか、とか聞かれたらどうすんの!いないって言うのも恥ずかしいよね。でもいるって言っちゃうのも……




「由利さんの目指す方向で、問題も合わせていきたいと思いますから」



「は……、あぁ、はい…ハァハァ」




そっちか。

一気に体力がなくなった気がした。




坂の上の公園なんて、小学生時代のラジオ体操以来だよ。

うう~っ……
もう疲れたよぉ~……お、お?






灰色だった視界に、見覚えのあるシューズ。


ゆっくり見上げれば……





「早かったですか」



私を見下ろす陽サマの顔!



わわっ!わぁ~っ!!

た、たぶん今、
初めて陽サマと目が合いましたぁ




< 20 / 45 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop