カテキョにぞっこん!
また、会える
「わかりました。僕もまた由利さんの元気を分けてほしいですから。
合格したら……会いに来ます」
「はいっ!」
私、絶対合格するから。
雨に消える陽サマの後ろ姿。
ピンクの傘を差していたって、やっぱり陽サマはカッコイイ!
「慌ててたから……閉めたと思ったのに隙間が開いてたのね」
「おかげですごい勢いでドアが閉まってビックリしたんだから!」
窓から入り込んだ雨風のせいで、散らかってしまったリビングを母と二人で片付けた。
「あ……」
家庭教師申し込みの袋から、はみ出している私と香奈のあの写真。
高校生になるからって
急にスタイルが良くなったり、美人になったりするわけはないけど
たぶん私は
ずっと今の私を残したままで
それでも着実に、
大人の階段を登って行くのだろう。
「でも二人にしてもらえて良かったでしょ〜?なにかあった?」
「お母さん、そんな子供みたいなこと言わないで」
浮かれて近付いて来た母に、私はポケットから出したお守りを指にかけた紐でクルクル回して見せた。
「これもらっただけ!」
なんでもかんでも教えちゃうような、もうそんな子供じゃないんだからね。
「なぁに?合格祈願?」
「それがちょっと違うみたい」
もらったお守りを眺めながら
私は小さく笑った。