花火の日
 「あれっ、みさこちゃんだけ?」

 「う、うん。なんか、みんなドタキャンみたい」

 かすかに、たくやの目が泳ぐ。

 「ホントに?」

 こくりと頷くみさこ。


 「と、とりあえず、花火見に行こうか」

 「う、うん」

 ぎこちない会話をしながらも、どこか幸せそうな二人。沢山のカップルが集う河原で、二人は夜空を眺めた。

 総勢500発の花火は、流星のように空を舞う。その余韻に浸るように、静まり返る人々。
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