花火の日
 木々の隙間から、たくやの家、そしてみさこの家が見渡せる。決して離れているわけでもない二人の家だが、今はまるで隣り合わせのように、重なるように、小さく見える。

 「た、高いね。いつの間にかこんなに登ってたんだ、気付かなかった」

 みさこが驚いたように言う。

 たくやは、なぜかにこりともしない。


 「あの、さ。みさこちゃんは……付き合ってる人、いるのかな?」
< 14 / 20 >

この作品をシェア

pagetop