約束
美奈先輩は泣きながらずっと謝り続けた。アタシはほんとにもうどーでも良かった。

「駿クン、もういいから。予鈴鳴ったし教室行こう?」

「あぁ。悪かったな。今日昇降口で待ってて?」

「うん。わかった。」

アタシ達は教室に戻った。正直駿クンがあんなに怒るなんて思わなかった。

「麻奈美、良かったねー!中堀先輩、本気で怒ってくれたじゃん!」

「そだね・・・でもあんな駿クン初めて見た・・・怖かった。」

「大丈夫だって!ほらそうゆうのって本気で心配してくれてる証拠じゃんか!!」

「まぁね・・・」

結局、5・6時間目の授業が頭に入らないまま放課後になってしまった。

重い足取りのまま昇降口に向かった。

「麻奈美!!」

「駿クン・・・!!」

「今日は悪かったな。美奈にはちゃんと言っといたから!もぅ大丈夫だぜ!」

「うん・・・ありがとねー!」

「おぅ!」

アタシ達は手を繋ぎ歩き出した。そしていろいろ話ながら帰った。

アタシは寮に帰ったあともそわそわしていた。

「麻奈美、少し落ち着きなよ!」

「舞・・・落ち着けない!だって明日だよ?」

明日・・・佐久大会のメンバーが発表される日だった。

「麻奈美なら入れるよ!!大丈夫、自信持ちな!」

「うん・・・」

結局寝れなかった・・・

「おはよ・・・」

「おはよー!!大丈夫?今日だね!」

「うん、平気。あッ!もうこんな時間?!はやくしなきゃやばいって!朝練遅れる!」

「やばッ!!」

朝練が終わってメンバーが発表された。

「よおし、これからメンバーを発表する!

 3年、柳沢、小宮山、中村。2年、翠川、早川、小山、秋山。1年小巻。以上だ」

「はい!」

「麻奈美!!良かったじゃん!おめでとぉ」

「ありがと・・・でも舞、あの約束・・・」

「いいの!!アタシはともかく麻奈美がメンバー入りできてほんと良かったじゃん!」

「麻奈美チャン、おめでとー!!」

アタシはあまり仲良くない1年からも「おめでとう」と言ってもらった。

「ありがとね。試合には出れるかわかんないけど頑張ってくるねー!!」
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