家族の時間
あかりの婚約の事を石川江梨子(いしかわえりこ)に伝えたくて電話をかけた。
江梨子は真穂達の母親と姉妹。
真穂達の両親は、事故で真穂の祖父母と一緒に亡くなった。
その時に助かったのがタキだけだった。
江梨子は、離婚して三人の子供を育てている。
「もしもし、江梨子ちゃん私、麻子です。」
「麻子さん、どうしたんですか?」
江梨子は電話の向こうで少し驚いた。
麻子は電話をあまりかけない。
「あかりが婚約したの!!」
「おめでとうございます。うれしい。…健太さんは反対しましたか?」
「そう、今さっき駄目って言ってたわ。」
麻子の声にお風呂上がりのあかりがリビングに入ってきた。
「今、あかりきたから変わるわね。」
麻子はあかりに受話器を渡した。
「あかりちゃんおめでとう!」
「江梨子さん、ありがとうございます。絶対、江梨子さん達結婚式によびますね。」
「ありがとう、あかりちゃん。」
あかりは少ししゃべった後に麻子に受話器を渡した。
少し麻子もしゃべった後受話器をおいた。
「お母さん、うれしいの。誰かに知らせたかったの。」
麻子はあかりを見つめながら笑顔で答えた。
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