家族の時間
和宏は翔の携帯の番号を押した。
「今電話に出ることが出来ません。」
何度やっても同じ返答だった。
「翔もつながらないの?」
麻子と真穂が心配そうに立っていた。
そこへ健太がやってきた。
「和宏君、今日は家に帰りなさい。そして、明日また来なさい。…今日はもう遅いから。」
「しかし。」
和宏が立ち上がった。
「君がいるから、あかりが戻ってこれないのかもしれん。」
健太は和宏の言葉を遮った。
「さあ、一晩寝ればかわるかも知れない。さあ、帰って明日また来なさい。」
「おじさん。」
真穂は健太を見た。
「わかりました、失礼します。」
和宏は挨拶をして帰って言った。
「お父さん、冷たいですよ。」
麻子は健太を見た。
衛が携帯を持って健太のそばにきた。
「これでいいか、渉。私から言ったから和宏君帰ったと思う。」
渉は健太に何かを言うと
「わかった。早く帰って来い。」
そう言うと携帯電話を切った。
「あかり、樹里亜ちゃんのところにいる。」
健太は携帯を衛に返した。
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