家族の時間
あかりと翔が渉と一緒に帰ってきた。
「渉、私からお父さんとお母さんに話す。だから、何も言わないで。翔もお願い。」
「わかった。」
渉はそれっきり何も言わなかった。



今より一時間前。
渉の携帯に樹里亜の番号が表示された。
何だろう…
渉は電話にでた。
「樹里亜なんだ?」
「渉、翔とあかりが言うあの女って誰?」
「いきなり…お前…言っていいのか?」
樹里亜は誰かに聞いている感じだった。
「了解したみたいよ、二人とも。」
「翔とあかりがいるのか?」
「あの女って…誰?」
樹里亜は早く答えてほしみたいだった。
「あかりの母さん。」
「家にいるじゃん。」
「お前なぁー、雅也が天然ボケが家にいるって言ってた。…家にいる母さんじゃあなくて、生みの母。」
渉の言葉に樹里亜は固まった。
「あんたは、案外ハッキリ言ったね、渉。いいや、あかり達向かいに来て。」
「わかった。」
渉は電話を切った。
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