家族の時間
「ただいま…。」
あかりと渉、翔が帰ってきた。
「あかり、心配したわ。」
麻子が走ってやってきた。
「ごめんなさい、和宏にあの女を結婚式に招待したって聞いたから…それでけんかしたの。」
あかりは麻子にゆっくりしゃべった。
「わかったわ…。明日、和宏君に話しましょう。」
麻子はあかりが言いたいことを言った。
「翔、拓海君と樹緒(みきお)君も呼んで。志穂!!」
麻子は麻子と一緒にあかり達が帰るのを待っていた志穂に声を掛けた。
「明日、真穂と美奈子と出掛けるの中止にしなさい。」
志穂は麻子の勢いに頷いた。
「拓海や樹緒?」
翔の幼なじみの山本樹緒は樹里亜の弟で、最近転勤で地元にはいない。
「明日、絶対来てもらって。それから、渉。」
麻子は渉を見た。
「何?」
「明日、光と吾郎とあゆみと由美子を連れて、健とドライブしてきて。」
「母さん、健はいいの?」
「渉、知ってるわ…20歳の時に話したわ。」
麻子は一気にしゃべった。
「渉、樹里亜さんと淳美さんも呼びなさい。…嫌かも知れないが…。」
健太が渉に二人の事も言った。
「明日、父さんの所に行くって言ってたけど、連絡してみるよ。」
「あかり、お前は買い物でもしてきなさい。」
あかりは頷いた。
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