家族の時間
一方、渉と健は海にいた。
「渉あんちゃん!!」
光と吾郎が栗太郎と走りながら、渉達に手を振った。
「よっ、渉!!」
渉が振り返ると翔と淳平が立っていた。
「どうしたの?」
健が聞いた。
「今日、親父の知り合いが亡くなって、俺達だけで寿司屋を任せられないって。」
「清二(せいじ)さんは?」
渉は、二人の大先輩の清二の事を聞いた。
「清二さんのおじいさんが亡くなったんだ。親父が最初に弟子入りした寿司屋の親方なんだ。」
淳平はお寿司を持って来ていた。
「家に帰りたくない気分だから、先輩誘ってきた。」
翔は健の隣に座った。
「あれ?翔兄ちゃんどうしたの?」
あゆみと由美子が桃次郎と梨次郎を抱いてきた。
「寿司を持って来ていたよ。」
淳平の声にあゆみと由美子が渉達の前に座った。
「光〜!!吾郎〜!!寿司があるぞ!」
渉が叫んだ。
「母さんが作ったおむすびもあるぞ。」
健が袋からおむすびの入ったお弁当箱とお手拭きを出した。
「栗達には、こっち。」
渉はドッグフードを出した。
「どうぞ。」
栗太郎達は尻尾を振って食べ始めた。
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