家族の時間
あかりからの電話の事が気になった、翔は親方の了解を得て、和宏の携帯電話の番号を押した。
コールしてすぐに和宏は出た。
「こんな時間に、どうした?」
こいつ、あかりの電話を拒否してる。
「和宏、お前、何考えているんだ。」
翔は和宏の態度に怒りを覚えた。
「どうした、翔?」
「どうしたじゃあない!あかりの電話になんででない!」
翔の言葉に和宏は黙った。
「だいたい、あかりが泣きそう声を出す事はないぞ。」
和宏は黙ったままだった。
「…あいつを披露宴に招待してた。…僕に内緒にしてた。」
翔は和宏の言葉を黙っていた。
「翔、あかりの兄さんなんだからあいつが招待された事、なんで教えてくれなかった。」
「和宏、なんで七恵にそんなにこだわるのか?」
翔はあえて和宏に七恵の事を尋ねた。
和宏は黙ったままだった。
(僕には言いたくないのか…。)
翔はそう判断した。
「明日、あかりにあやまりの電話を入れろ。…今日はもういいよ。」
翔がそう言うと和宏も頷いた。
翔は電話を切った。
「翔、渉から電話だ。」
淳平から声をかけられた。
「すいません。」
翔は携帯電話をしまうとお店の方へ走った。
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