家族の時間
健太は和宏と昌宏を見つめた。
「七恵…七恵は今どこに泊まっているんですか?」和宏の母は健太に聞いた。
「先週まで、結婚した旦那さんの実家にいました。」
「七恵はなぜ連絡をくれなかったのかしら…?」
和宏の母は悲しげに言った。
「母さん、あいつの事なんで気になるんだ!!」
昌宏は叫んだ。
「家に来て下さい。もう、黙っている訳にはいきません。」
健太はもう黙っていられなかった。
「自分達だけ、いい子になるなんて…私は許せませ。」
「川村さん…。」
和宏の父がつぶやいた。
「今日、必ず家に来て下さい。和宏君や昌宏君がしゃべる必要はないですよ。」
健太は頭を下げた。
「結婚式には、娘の幸せな顔を見たいです。私のささやかな望みなんです。…叶える事はできませんか?」
健太は頭をさげたままで聞いた。
和宏と昌宏はたったままだった。
「わかりました。行きましょう。」
「父さん!」
和宏達は父の言葉にびっくりした。
「必ず伺います。」
健太はその言葉に頭をもう一度、下げた。
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