家族の時間
麻子は真吾に声をかけた。
「真吾は、最近どこに行ってるの?」
麻子の直球に、真吾だけでなく周りにいた翔と健もびっくりしていた。
「山本さんとこ。大工の仕事に興味があるんだ。…逸樹(いつき)とも仲良くなったし…。」
逸樹は樹里亜と樹緒の弟で、大工の見習いさん。
「楽しいんだ。」
真吾が笑顔で答えた。
「母さん、これから迎えにいくけど…真吾どうした?」
渉が二階から降りてきて真吾を見た。
「真吾、一緒に行って。…健は、翔と一緒に樹里亜ちゃんと淳美ちゃんを迎えに行って。」
麻子はゆっくり言った。
「え?」
健が麻子に聞き返した?
「ま〜、ま〜、いいじゃないか。」
翔が健の肩を叩いた。
「お父さんが和宏君家族を説得するから…。」
麻子の言葉を聞いても、真吾と健はわからなかった。
「翔は、今、運転免許はどのあたり?」
渉が運転免許を取得のため学校に通っている翔に聞いた。
「仮免まで後少し!」
翔は自慢げに話した。
「そうなの!翔、頑張って!」
麻子が翔の方を見た。
「どうせ、免許をとったらまた足代わりにこき使われるぞ〜。」
渉が言ったとたん、麻子が渉の頭を軽くはたいた。
「さっさと行きなさい」
麻子がそう言うと、渉達は走って家を出た。
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