家族の時間
麻子が出した紅茶とコーヒーは冷めていた。
「私が話そうか…。」
健太が切り出した。
和宏と昌宏は動けなかった。
「あかり、沙織ちゃん、愛美ちゃん、三人に黙っていた事があるんだ。」
健太は三人を見つめて言った。
「七恵ちゃんがアメリカに行った本当の理由。」
あかり達は七恵を見た。
「新しい彼氏ができたから、アメリカに行ったんでしょ。」
愛美が七恵から聞いた理由を言った。
「それは、隆文と愛美ちゃん達に言った理由。…本当は、彼氏なんてできてない。」
樹里亜は淳美の隣でしゃべった。
「そこの家族を助けるために、渉と雅也と渉のお父さんと隆文のお父さんが考えた事なの。」
樹里亜が紅茶を一口飲んだ。
「どうしておしえてくれなかったの?」
「あかり、もし知っていたら、和宏と付き合っていたかい?」
「お父さん!!」
健太の言葉に麻子が叱責した。
「わからない…。けど、沙織や愛美は関係ないわ。」
「翔が沙織ちゃんと付き合ってなかったら、私はしゃべったよ。」
「僕が和宏の友達だから、沙織に話さなかった。なら、愛美ちゃんはなぜ話さなかったの?」
翔が健太をに聞いた。
健太は何もしゃべらなかった。
< 139 / 201 >

この作品をシェア

pagetop