家族の時間
渉と啓悟は、塾から帰ってくる志穂を駅で待っていた。
駅の近くに、ペットショップがあった。
今年最後の営業で、掃除をしていた。
啓悟は、ガラス越しに見えるフレンチブルドックを見ていた。
「渉あんちゃんは、栗太郎を最初に見た時どんな感じだった?」
啓悟の質問に渉はびっくりしていた。
「栗太郎にあった時は、俺が迷ってた時で、すぐに一緒に暮らすと感じたよ。」
「・・・あのフレンチブルドックかいたい。」
啓悟の言葉に運転席にいた渉が振り返った。
「フレンチブル?」
渉が聞いた。
「そう、あそこにいる。」
啓悟が、ペットショップを指差した。
「本気か?」
啓悟がうなづいた。
渉は、啓悟を見つめた。
「犬も生き物だ。最後まで責任を持って育てられるか?」
「子供じゃないよ、俺。それぐらいわかってる。」
啓悟は、真剣だった。
そこに志穂が車のドアを開けた。
「渉あんちゃん、どうしたの?」
あまり喋ったりしない志穂が、渉の顔をみて心配そうに聞いた。
「志穂・・・ま、車に乗りな。ちゃんと話すから。」
渉の声に志穂は車に乗った。
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