家族の時間
健が健太の方を見た。
健太が困った顔をしているのに健が気づいた。
「愛美ちゃんは、話せなかった。話すとあかりや沙織ちゃんに漏れるし、和宏君達が嫌がった。」
健太は和宏を見た。
「いい加減、和宏か昌宏がしゃべった方がいいと思う。」
拓海が言った。
「父さんは和宏の父さんじゃないない。…いい加減にしてほしい。」
翔が怒って言った。
拓海が和宏のそばにきた。
「俺は、小さい頃からお前や昌宏を知っていた。なんであんな事…七恵をいじめて楽しかったのか?」
拓海の言葉にあかり達は衝撃を受けた。
「どうして、どうして…」
あかりと愛美が和宏を見た。
「七恵は、邪魔だった。」
昌宏がつぶやくように言った。
「宏美がいるのに、なぜ七恵をひきとって育てたりしたんだ。」
昌宏は双子の妹、宏美の事を持ち出した。
「なんの関係もない七恵を育てる事がおかしんだ。」
七恵は和宏の言葉にうつむいた。
「そ…育てないといけなかったの。」
和宏の母が小さな声で言った。
「どうして?なんでだよ?」
昌宏が聞いた。
和宏の母ががうつむいた。
昌宏と和宏が母親を揺さぶった。
「娘だから…私の娘だから育てないといけなかった。」
和宏の父がしゃべった。
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