家族の時間

沙織の父は、健太や麻子に挨拶をした。
｢宏美ちゃんと和宏君、昌宏君の差だよ。二人は確実にお父さんを許せなくなる。どんな理由があるにせよ、二人はお父さんを許せなくなる。｣
沙織の父がゆっくり言った。
｢私と渉君のお父さんで決めた。しかし、あかりちゃんが七恵ちゃんを披露宴に黙って招待すると思わなかった。｣
｢先月やっと招待客がわかった。｣
健太が素早く言った。
｢私は…私は許しても、和宏と昌宏がお父さんを許せなくなるのは…嫌だった。｣
和宏の母の言葉に全員黙ってしまった。
｢血のつながりがあるのに、なんでそんな風に思うんですか？｣
健が和宏の母に聞いた。
｢父さんが母さんに黙って他の人との間に子供を作ったら、僕らと兄弟だよ。｣
健は素直な気持ちを言った。
｢今更、兄弟と言われても困る。｣
和宏が叫んだ。
七恵が泣き出した。
｢血がつながっているから兄弟なんておかしい。｣
昌宏が言った。
｢そうだね、兄弟はそんな簡単なものではないな。｣
拓海がぼそっと言った。
｢そうだよ、今更兄弟と言われて家族になれなんて無理だよ！｣
和宏が叫んだ。
｢渉さん、あかりちゃん、そして翔。｣
拓海は３人を見た。
｢３人はどうだったの？｣