家族の時間
渉は、和宏を自分の方に向かせた。
「あかりを泣かせる事があれば、いつでも俺達が和宏を怒りにいくからな。」
渉は和宏を睨んだ。
「それから、昌宏!」
昌宏は渉の声にびっくりした。
「七恵を認めろとは言わない。しかし、少しずつでいいから気持ちをかえろ!」
渉の声にびっくりした昌宏は頭を縦に振った。
「和宏、昌宏、すぐに気持ちをかえろと渉達は言ってないんだ。七恵の事を兄弟として今すぐ認めろとは思ってない。」
雅也は和宏と昌宏を交互に見た。
「ちょっと頭の隅にその事をおいていてほしい。これは、隆文からのお願いだ。」
雅也の言葉に和宏は顔を上げた。
「隆文さんは知ってるんですか?」
「和宏、隆文は七恵が帰国して事実を全部話したよ。」
和宏は七恵の方に向いた。
「少しずつでいいんですね。」
和宏は渉の方を見た。
「今すぐは無理だけど、気持ちをかえてみるよ。」
「和宏、大好き!!」
あかりが立ち上がると、和宏に抱きついた。
しかし、昌宏は素直になれなかった。
「昌宏は今すぐ答えを出さなくていいんだ。」
渉が昌宏に向かって言った。
「だから、焦らなくていいんだ。」
渉の言葉にうなづいた。
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