家族の時間
七恵は泣き出した。
「私は、ずーっと孤独だと思っていたの。」
七恵は鼻をすすった。
「私は、いつも孤独だと思っていたの。でも、思い込みだったの。」
「七恵!」
愛美が抱きしめた。
「いつでも、帰国していいのよ。」
愛美は涙でくしゃくしゃになる七恵の顔をなでた。
「そうよ、いつでも帰国して遊びにいらっしゃい。」
麻子が七恵に言った。
「七恵…。」
和宏の母が七恵に声をかけた。
「七恵の子どもにいつか合わせてちょうだい。」
七恵は和宏の母を見た。
「今回は無理でも、今度は合わせてちょうだい。私とお父さんにとって初孫だから、合わせてほしいの。」
「七恵ちゃん、明日にでも合わせてちょうだい。」
麻子が七恵に言った。
「明日でなくてもいいんです。」
和宏の母が言った。
「私達は今回でなくてもいいの、次回帰国した時でいいんです。」
「明日にしましょう。」
タキが和宏の母に言った。
「七恵ちゃん、大丈夫よね。」
タキの言葉に七恵はうなづいた。
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