家族の時間
渉は志穂に、啓悟が犬をかいたいと言った事を話した。
「お兄ちゃん!家には、栗ちゃんがいるんだよ。わかってるの!?」
「わかってる。でも、あの子達を育てたい!」
志穂の問いに、啓悟はすぐ答えた。
「じゃあ、おばあちゃんと健兄ちゃんにどう説明するの。」
タキと健は犬が苦手。
とくに健は、小さい頃犬に噛まれたのでとても苦手である。
栗太郎のときは、タキと健が渉の下宿先に行って栗太郎の性格を見ていた。
「わかってる!栗太郎がおとなしいし、従順だ。だけど、渉あんちゃんが、栗太郎をあんな風に育てたんだろ?」
啓悟の言葉に、渉は志穂の方に向いた。
「栗太郎はもともとあの性格だ。・・・志穂、悪いが家にいる健に電話してほしい。」
渉の言葉に志穂は頷いた。
「なんて言えばいい?」
「栗太郎とおばあちゃんと一緒にここにきてほしい。」
渉は車のドアを開けた。
「衛と光も一緒に来てと俺が言ってると言えばいい。」
渉は車を降りると、ペットショップに向かった。
啓悟は、車を降りようとドアを開けた。
「お前は待ってろ!」
渉の声に啓悟は車のドアを閉めた。
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