家族の時間
式場の中には、川村・石橋家と相馬家の家族だけだった。
相馬家の方は七恵がいた。
昌宏の提案で、急遽決めた事だった。
あかりの方は、いつも一緒の家にいた家族だけだった。
ヴァージンロードを健太と歩くあかりを見て、麻子は出会った頃の生意気なあかりを思い出していた。
健太の腕から、あかりが和宏の手にわたった。
健太は、自分の位置、麻子の隣にたった。
健太の耳には、何も聞こえなかった。
きれいになった娘をまぶしく見ていた。
「あなた…。」
麻子は一筋の涙が流れた。
きれいなあかりを見て、麻子はうれしく思った。
家族みんなもしあわせなあかりを見て、うれしかった。
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