家族の時間
健は小さい頃の事を思い出していた。
あかりは本当に頑固だった。
「あかり姉ちゃんがしあわせだったね。」
あんなにうれしいあかりは本当に見た事がなかった。
健太と麻子の結婚式以来だった。
あかりはわがままな姉だった。
健はよく振り回された。
けれど、それも今日から楽しい思い出になった。「楽しかった…。本当に楽しかった。」
健はしみじみ言った。
健太も健を見た。
つらかった時もあかりがいたおかげで楽しかった。
「健、楽しかったなぁ。」
健太の言葉に健がうなずいた。
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