家族の時間
「とりあえず、来てくれればいいから。」
先ほどから、渉は健太と麻子に繰り返しこの言葉を言っていた。
「わかった。あと30分位でそちらに行く。」
「お父さん!」
麻子は、健太を見た。
「渉に何か考えがあるのなら、それを聞いてもいいかと思った。」
健太は電話を切ると車を発進させた。

駅前のペットショップの前に健達が着いた。
「ばあちゃん、健、ごめん。栗、悪かったな。」
渉が謝った。
「それより、どうするの?」
衛は渉に聞いた。
「父さんと母さん達が来てからだ。」
渉は栗太郎をなでていた。
翔が同僚の車でやって来た。
「すぐに終わるから、翔。」
「あんちゃん、いいよ。親方が早く仕事を終わらしてくれたんだ。栗、かわいいなあ〜。」
翔は、栗太郎をなではじめた。
「翔兄ちゃん、ごめん。」
啓悟と衛が謝った。
健太達の乗った車が、駅前に到着した。
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