家族の時間
五十嵐動物病院に、栗太郎と志穂を連れてきたのは、渉だった。
看護士の綾音(あやね)が菜摘と一緒に小さな犬を栗太郎に合わせた。
「こんにちは!」
衛と啓悟と光とあゆみがやってきた。
「どうしたの?」
「志穂、栗ちゃんといなくなるから心配したよ。」
啓悟が栗太郎をなでながら言った。
「おばあちゃんのリハビリの帰りに、沙織さんに拾ってもらうんだ。」
衛がキョロキョロしながら周りをみた。
「ここは、菜摘さんの職場だよ。犬のしつけ教室。」
栗太郎の横に小さな子犬は、スヤスヤと寝ていた。
「やんちゃな子犬も栗ちゃんの横くると寝るのね。」
菜摘は、柴犬をつれてやってきた。
「病院とは違った感じでしょ。しつけ教室なんだ。犬の訓練をしてるの。」
菜摘は笑いながら言った。
「楽しそうですね。」
衛が聞いた。
菜摘が衛と啓悟をみた。
そして、柴犬を抱き上げた。
< 24 / 201 >

この作品をシェア

pagetop