家族の時間
「香苗〜!」
志穂が学校の廊下で手を振った。
香苗と母親が廊下の端からあらわれた。
志穂と香苗は、出席を確保するために、夏休みと冬休みに何回か出ていた。
「こんにちは。」
香苗の母親が頭を下げた。
香苗は、志穂がいないと死んでいたと一度言っていた。
それぐらいひどいいじめだった。
「進路の事ですが、私はこちらの学校をお勧めします。」
教室にいた担当の先生は、校風が自由な普通科の高校のパンフレットを出した。
「担任の先生は?」
香苗の母親が聞いた。
「…今は、ちょっと手が離せないので…」
麻子は、ため息をついた。
"どうせお荷物の二人の進路をサッサと決めて、安心したいんだわ"
麻子は呆れて言葉が出なかった。
「香苗は、どうする?私は、この学校好きだよ。」
志穂の問いかけに香苗は頷いた。
「家から少し遠いけど、香苗は大丈夫?」
香苗がいじめにあってからは、香苗の母親の心配性がひどくなった。
「大丈夫。」
香苗は小さな声だか、はっきり言った。
「試験日はいつですか?」麻子は、イライラしながら担当の教師に聞いた。
「1月末です。」
「え?」
麻子と香苗の母親は聞き返した。
「ですから、1月末です。」
「なんでもっと早く連絡していただけなかったんですか!」
「石橋さん、この学校の試験は小論文と面接だけです。石橋さんと綾瀬さんは充分な実力の持ち主ですし。」
「手続きして下さい。」
香苗が大きな声で言った。
「受験の手続きして下さい。」
香苗がもう一度言った。
「わかりました。」
香苗は担当の教師の言葉を聞くと教室を出た。
「香苗!」
香苗の母親と志穂が出て行った。
麻子だけ残った。
志穂が学校の廊下で手を振った。
香苗と母親が廊下の端からあらわれた。
志穂と香苗は、出席を確保するために、夏休みと冬休みに何回か出ていた。
「こんにちは。」
香苗の母親が頭を下げた。
香苗は、志穂がいないと死んでいたと一度言っていた。
それぐらいひどいいじめだった。
「進路の事ですが、私はこちらの学校をお勧めします。」
教室にいた担当の先生は、校風が自由な普通科の高校のパンフレットを出した。
「担任の先生は?」
香苗の母親が聞いた。
「…今は、ちょっと手が離せないので…」
麻子は、ため息をついた。
"どうせお荷物の二人の進路をサッサと決めて、安心したいんだわ"
麻子は呆れて言葉が出なかった。
「香苗は、どうする?私は、この学校好きだよ。」
志穂の問いかけに香苗は頷いた。
「家から少し遠いけど、香苗は大丈夫?」
香苗がいじめにあってからは、香苗の母親の心配性がひどくなった。
「大丈夫。」
香苗は小さな声だか、はっきり言った。
「試験日はいつですか?」麻子は、イライラしながら担当の教師に聞いた。
「1月末です。」
「え?」
麻子と香苗の母親は聞き返した。
「ですから、1月末です。」
「なんでもっと早く連絡していただけなかったんですか!」
「石橋さん、この学校の試験は小論文と面接だけです。石橋さんと綾瀬さんは充分な実力の持ち主ですし。」
「手続きして下さい。」
香苗が大きな声で言った。
「受験の手続きして下さい。」
香苗がもう一度言った。
「わかりました。」
香苗は担当の教師の言葉を聞くと教室を出た。
「香苗!」
香苗の母親と志穂が出て行った。
麻子だけ残った。