家族の時間
「あかりもきてたんだ。」
翔が、奥の和室から出てきた。
「私がきたら、駄目なの?」
あかりが立ち上がって、翔を見た。
「もう少ししたら、出てくるよ。」
翔が着替えのために奥の部屋に行った。
真穂と鞠子が親方と一緒に出てきた。
「帰ろう。」
あかりが二人に声をかけた。
真穂と鞠子は頭を縦に振った。
しばらくして、着替えた翔が出てきた。
「ご迷惑をかけて、すいませんでした。」
渉と翔、そしてあかりは親方、店の人達に頭をさげた。
「おいくらですか?」
渉が財布を出した。
「渉君とあかりちゃんの食べた分だけでいいわ。」
由佳里がレジの前で言った。
「それでは、困ります。」
あかりも財布を出した。
「いいんだよ、真穂ちゃんは、おじさんがここにくれば相談にのってくれる人がいるっていったらしい。健太さんが私をそこまで思ってくれるなら、私どももそれに答えたいからね。」
親方の言葉に渉は、あかりと自分が食べたぶんの食事代をわたした。
そして、
「お寿司、美味しかった。」
と言ってお寿司屋を後にした。
「車をとってくるから、ここで待ってな。」
渉が一人駐車場に向かった。
「寒いね、あかりちゃん。」
酔いが醒めた真穂は、照れながらあかりに抱きついた。
「びっくりするな〜」
あかりは真穂をみた。
「寒いから、鞠子ちゃんもおいで。」
あかりは、鞠子を引っ張って、真穂と鞠子を抱きしめた。
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