家族の時間
「お父さん、どうぞ。」
麻子は湯のみを渡した。
「大丈夫かなぁ?」
健太が麻子を見た。
「何がですか?」
麻子は座った。
「志穂の高校。」
「大丈夫ですよ。健も言っていましたし、それに私受かるような気がするんです。」
麻子の自信のある答えに健太は笑った。
「どうして笑うんですか?」
麻子はゆっくり聞いた。
「麻子さんがすごい自信があるみたいだから。」
「健太さん、自信は健の言葉で出来ました。」
麻子の言葉に健太も頷いた。
「真穂はもう少し心配ですね。…アルバイトの件、よろしくお願いしますね。」
麻子の言葉に健太は、
「わかった。」
と言った。
「したい事が二人ともみつかればいいのだが…」
健太の言葉に、麻子は健太を見つめながらこう呟いた。
「そうね…みつかりますよ、たぶん。」
それしか麻子には言えなかった。
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