家族の時間
駅の近くに五十嵐動物病院はあった。
志穂は動物病院のドアを開けた。
「すいません、今は往診の時間…志穂ちゃん!」
受付の庄司がびっくりして、大きな声を出した。
「石橋渉を呼んで下さい。」
知り合いだかここはちゃんと志穂はしたかった。
「石橋先生、田上先生と往診に行って今ここにいないの。」
庄司の返事に志穂は
「待たせてもらっていいですか?」
と言った。
「いいわよ。ここで待つ?」
「庄司さん、菜摘さんの仕事場は空いてますか?」
志穂の言葉に何かあると感じた庄司は、内線をかけた。
「菜摘さん、訓練所空いてますか?」
電話の向いたから菜摘の返事があった。
「志穂ちゃん、大丈夫よ。」
志穂は庄司に頭を下げるとドアを閉めた。
「菜摘さん。」
待合室に来た菜摘に庄司が不安そうな顔をした。
「私、見てくるわ。」
菜摘は、待合室を出て、訓練所にに向かった。
空から冷たい雨が降り始めた。
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