家族の時間
美奈子の言葉に、渉はもう一度聞いた。
「おばさんが亡くなったって事か?」
渉の言葉で、吾郎が大きな声で泣き始めた。
「そう。」
美奈子は泣きやんだ。
「真吾と由美子は?」
渉の問いかけに、美奈子は周りを見た。
「由美子がいない!」
「由美子は、にーちゃんの横で寝てたよ…。」
少し落ち着いた吾郎が渉と美奈子に言った。
「病院はどこだい?」
渉の問いかけに、
「早風総合病院。」
美奈子はゆっくり答えた。
「真吾と由美子は、病院なんだな?」
「お兄ちゃんは、お母さんと一緒に事故にあったの。」
美奈子は、ゆっくりしゃべった。
「石橋先生、今日はもう仕事を終わっていいわ。五十嵐先生に訳を言っておくわ。」
菜摘は渉に言った。
「すいません。」
渉は菜摘に頭を下げた。
「早く着替えてらっしゃい。ここは私が見ているわ。」
菜摘は渉を急かした。
渉は訓練所のドアを開け走って行った。
志穂は、香苗の手を握った。
香苗も志穂の手を握りが返した。
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