家族の時間
あの日…。
前の家の電話がなった。
渉と翔、そしてあかりが留守番として家にいた。
電話に出たのは、渉。
電話の内容は、真穂達の両親と祖父母、そして渉の祖父が事故にあって亡くなったというものだった。
健太と麻子は、小さな子供達を連れて遊びに行っていた。
真穂は、動揺して震えが始まった。
「渉、小さい子供を連れてばあちゃんちに行ってくれ。翔、あかり、二人とも真穂ちゃんを支えて。」
駅で待ち合わせた健太は渉達に言った。
その後、葬式が終わるまで真穂の震えは止まらないかった。


真穂は落ち着かない。
あの時を思い出していた。
「真穂、家に帰れる?」
あかりが聞いた
真穂は頷くと立ち上がろとした。
しかし、ちゃんと立ち上がれなかった。
「しっかりしなさい。」
あかりと翔が駆け寄った。
「真穂、ゆっくりでいいんだよ。」
タキが真穂をささえた。
「さぁ、帰りましょ。」
タキは真穂と二人でゆっくり歩き出した。
< 57 / 201 >

この作品をシェア

pagetop