家族の時間
病室から麻子達が出てきてた。
「渉あんちゃん、ご苦労様。」
衛が渉に言った。
「おばさん、今日は転院は無理です。今日の夜によく話し合って動かしても大丈夫か考えましょ。」
隆文の言葉に、麻子は頷いた。
「衛、啓悟、父さんが霊安室に来てくれって、健、おちびたちと帰ろう。」
「渉、健、よろしくね。」
立ち上がった健と廊下にいる渉に麻子は言った。
「あかりに明日は食事を作ってもらって。」
「母さん、それは無理だよ。姉ちゃんに作ってもらうなんて無理。」
健が手を振った。
「翔に作ってもらいなさい。」
「母さん、わかってる。」
渉が笑った。
麻子が笑っていた。
「渉、また真穂ちゃんが調子が悪くなったみたいだ。」
隆文は腕時計を見ながら言った。
「沙織が、翔のお店に藤堂先生呼んだらしい。さっき、連絡が入った。」
「わかった。」
渉は頷いた。
渉と健、そしてちびっ子3人は帰っていった。
「じゃあ、父さんところに行くね。」
少しして、衛と啓悟が立ち上がった。
「二人ともお願いね。」
麻子の言葉に、
「わかった。」
啓悟が答えた。
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