家族の時間
手続きを終えて、健太達が真吾の病室にやってきた。
「斎場に江梨子さんを連れて行くから。」
「お父さんお願いします。」
「おじさん、お願いします。」
麻酔から目が覚めていた真吾が声をかけた。
真吾は、両足の複雑骨折をしていた。
内臓、脳には問題はない。
「真吾君…」
健太はかける言葉が浮かばない。
「真吾兄ちゃん、今日は寝ちゃいな。」
衛が声をかけた。
「俺達にまかして!」
啓悟がむねを叩いた。


「明日は、朝ご飯よろしく頼む。」
渉は、あかりと真穂の肩を叩いた。
「え〜!」
タキと美奈子、吾郎、由美子以外の石橋家と川村家の人間が叫んだ。
「兄貴、二人は無理だ。」
翔が一番前にやってきた。
和室に家に残った全員を渉は集めた。
「翔兄ちゃんが作って!」
志穂も真剣に言った。
「みんな失礼よ!」
あかりはふくれた。
「でも、あかりは結婚するからもうそろそろ練習しましょ。真穂も一緒ね。渉、私が手伝うわ。」
タキが言った言葉に一同が頷いた。
「さぁ、夕飯食べましょう。」
翔のお店で作ってもらったお寿司をみんなで食べ始めた。
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