家族の時間
麻子が駅近くのスーパーで買い物をすませて、歩きだすと一台の車が止まった。
「お疲れ様。」
窓を開けたのは衛だった。
「仕事は終わったの?」
麻子は助手席のドアを開けて座った。
「終わったよ。卒業式はどうだった?」
渉は車を出発させた。
「衛は初卒業式だから、卒業生も在校生も先生達にも妙な緊張感があるの。だから、こっちも緊張したわ。…啓悟の卒業式は、真穂が遅刻してハラハラしたの。卒業式は感動したわ。」
麻子は笑顔で答えた。
「真穂はしょうがないけど、啓悟はクラス代表で卒業証書をもらってカッコよかったわ。」
麻子は渉に言った。
「渉、翔のお店によって。」
「寿司注文して、二人は帰ってくる?」
渉は麻子に聞いた。
「帰ってくるわよ。あんたも翔もあかりも真穂も健も帰ってきたの。それを二人も見てるから、帰ってくるわ。」
麻子は自信があった。
「それで、真穂は?」
渉は一緒にいない真穂の事を聞いた。
「先に帰ったわ。」
麻子は笑いながら言った。
「一緒買い物すれば、車で帰れるチャンスがあったのになぁ〜」
渉が言った。
麻子と渉は笑い始めた。
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