家族の時間
「ただいま!!」
衛と啓悟が一緒に家に帰ってきた。
「母さんすごい、二人とも帰ってきた。」
渉がリビングの大きいテーブルを拭きながら言った。
「渉あんちゃんなに?」
志穂が唐揚げの粉をつけながら渉に聞いた。
渉はふきんを洗い、ふきんを置いた。
「高校の卒業したみんな、遊びに出掛けず、家で夕食を食べる。」
そして渉は、手を洗って皿を並べ始めた。
「不思議ですね。」
沙織がキッチンにやって来た。
「沙織ちゃん、何が不思議かしら?」
麻子がサラダを作りながら聞いた。
「おばさんとおばあちゃんと美奈子ちゃんと志穂ちゃんがキッチンに立つのはわかるわ。…渉さんや健君がキッチンに立つなんて思わなかった。」
沙織はビックリしていた。
「あと、翔も時々してくれるの。けど、あかりと真穂はまったくしなかったの。今は、無理にやらしてるわ。」
「手伝いましょうか?」
沙織が聞いた。
「ありがとう、唐揚げ手伝って下さい。」
沙織は、美奈子からエプロンを借りた。
「ただいま、沙織さんこんにちは!」
衛がキッチンにやって来た。
「衛君、卒業おめでとう。」
沙織は衛に挨拶した。
「ありがとうございます。」
衛は頭を下げた。
「後少しで出来るからね。」
タキが衛に言うと、衛は頷いた。
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