家族の時間
渉は淳美との話を終え、自分の車に戻った。
少し待っていると、翔と衛がお寿司とケーキを持って歩いてきた。
「翔、仕事終わったのか?」
渉は車に乗った。
「早く終わらしてもらった。兄貴は、淳美さんとの話しは早かったね。」
翔に聞かれると、
「たいした話しでないからな、すぐに終わった。」
渉はそう答えると、車のエンジンをかけた。
翔が助手席、衛が後部座席に座ると渉は車を発車させた。
「翔兄ちゃんは車の免許をとる気はないの?」
衛は最近、啓悟と二人、自動車教習所に通い始めた。
「興味ないな〜。でも、親方や淳平さんは取れってうるさいから、いずれとると思うよ。」
「早く取らないと、取りにくくなるよ。」
衛が翔に言った。
「親方に相談して、昼間の暇な時に教習所に通わしてもらえよ。」
渉も言った。
翔はそう言われちょっと心配になった。
「渉あんちゃん、翔兄ちゃんが心配してる。」
「大丈夫だよ。20代なんだから。」
渉は笑いながら言った。
「それでも心配だよ。」
翔は不安そうな声を出した。
「補習受けるぐらいだよ。…まだ教習所に通ってないんだから心配するな。」
渉はそこで話しを止めた。
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