恋は嘘から始まる。
名前
「柚子…」
「何?急にそんな真剣な顔して」
今は6時間目。
理科の授業中。
理科は先生が緩いから喋りたい放題。
それに柚子とは
奇跡的に席が前後だから
普通に話せる。
「あのね…実は今日、汰功にデ…デ…」
「デ…何?」
あの田原壱斗と出会った日から
6日経って今日は7回目の記念日。
田原壱斗の事は
直ぐ次の日に柚子には話した。
「だ、だからね……汰功にデデデー…」
「もしかしてデートにでも誘われたの?」
柚子はなかなか言わない私に
ムカついたのか肝心な所を先に言った。
「う、うん……//」
そう。
昨日、汰功から
『遊びにでも行こうか』
っていうびっくりするメールが来た。
それからのやり取りは
本当に恋人みたいで…
「何処に行きたい?」
とか
「瑠衣の行きたい所に連れてってやるよ」
とか
そんな会話のやり取りをした。