恋は嘘から始まる。



「隣は俺じゃない方が良かった?」

「えっ…?」



そう言って田原の顔が近づいて来た。



「やっ!!やめて……?」



キスされると思って
思いっきり顔を手で覆ったら

何も無くて



「何?キスされるとでも思った?(笑)」



降り注がれたのは

間近の田原の顔と
またしても嫌味たっぷりな言葉だけ。



「なっ……!!///ち、違うしっ!!馬鹿っ!!///」

「馬鹿じゃねーし。自意識過剰さん(笑)」

「はっ…はぁっ!?///」



自意識過剰っ!?///

た、確かにちょっと
キスされるかもとか思ったけど



「あんたにだけは言われたくないっ!!//」


こんな超絶自意識過剰な奴に

だけは言われたくないっ!!



「あっそー。じゃーそろそろ帰んぞ」

「はっ…ちょ……!!」



そんな事を思ってたら田原は

いきなりツリーとは
逆方向に歩いて行った。


それを私は必死に追いかけた。



「……瑠衣…?」





この状況を見られていたとは知らず…。






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