恋は嘘から始まる。
私は汰功の言葉なんか聞かずに
走ってその場を去った。
「はぁ……」
ちょっと期待してたんだけどな……
後ろを振り返っても誰も居ない。
追いかけて来てくれるかもって……
別れようって……
「何で?どうして…?」
確かに途中で抜けた私の行動は
最低だったと思う。
けど、だからって……
私だけが悪かったの?
「お前は泣き虫か?」
「えっ?」
驚いて顔を上げると
「田原……」
何で?
何で……
泣いてる時に来てくれるのは
こいつなの?
「お前、泣くの好きだなー(笑)」
田原はそう言って私の隣に座った。