恋は嘘から始まる。
―壱斗side―
“汰功”は
少しだけ俺の腕の中に居る月島を見て
辛そうな顔をした。
なのに、あいつは
俺の質問に何も言葉を返さず
教室を出て行ってしまった。
おい。そんな態度とったら
こいつ絶対、勘違いするぞ。
ってか、
“そうだよ…別に好きじゃ無かった”
なんてのも本心じゃ無いくせに。
本当、こいつらって…
「なぁーどーする?彼氏からお許し貰っちゃったんだけど(笑)」
「ひっ…ひくっ……」
「はっ…?」
また泣いてんのかよ…。
「もう、か彼女じゃな無いもん…」
“もう、彼氏じゃ無い”
はっ?何、言ってんだよこいつ…。
本当、馬鹿じゃねーの?
ギュッ
「えっ…//な、何…」
「もーお前黙れ」
「なっ……んん゛!?」
あー…あ。やっちまったな。
「ちょ……!!//私のファースト…」
「お前、嘘つける?」
「えっ…?」
……馬鹿なのは俺だ。