恋は嘘から始まる。
「おはよーっ」
「瑠衣っ!!ちょっと来てっ!!」
「えっ?えっ?えっ?」
私は教室に入ったら速攻
柚子によってまた教室の外に出された。
「な、何?」
「あのね…今日、朝聞いたんだけどあんた彼氏……」
「おい。邪魔なんだよ泣き虫」
こ、この声は……
柚子の話を遮ったこの声は
紛れも無く
田原だ……
「はっ?黙れ」
だから、後ろを向いたまま
話を返す。
いつもより、強気で。
「はっ?何言ってんの?ちょっと、冷たいんじゃない?“彼氏”に向かって」
「あんたこそ何言ってんのよ。彼氏って……えっ!?」
私は驚いて思わず田原の方を向いた。
「あっ…」
でも、直ぐに後悔した。
振り向かなかったら良かったって。