スキ、スキ、大スキ!


「あっ、違うよ! 女じゃなくて男の先輩だから。
多分、告白じゃないかな…?」



それを聞いた瞬くんは、ホッとした表情になった。
でも、次の瞬間には明らかに不機嫌な表情で。



「何だよ、それ。ほんと、気が抜けないな。
で、葵はどこにいんの?」


「中庭って言ってたよ」



やっぱり瞬くんは、あおちゃんにベタ惚れだなーっ、と実感する。



「ん、ありがとう。じゃあ、行くね。…と、その前に」


そう言いニヤッと笑った瞬くんが近付いて、耳元で、


「俺のこと睨んでる男がいるんだけど、あれって杏ちゃんの彼氏?」


そう言われて、慌てて後ろを振り向くと、
そこには不機嫌な表情の李玖がいて。

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