スキ、スキ、大スキ!


「李玖っ! 探してたんだよ!」



李玖は叫んだあたしに構わず、どんどん近付いて来る。



そして、あたしの手を引き、あたしを自分の背中で瞬くんから隠すようにして、


「杏樹、こいつ誰?」


と、不機嫌な声のまま聞いてきた。



あたしはこの状況に戸惑って、暫く何も言えなくて。



「じゃあ俺、もう行くわ。またね、杏ちゃん」


と言って、瞬くんは行ってしまった。

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