スキ、スキ、大スキ!
「で、さっきの誰?」
瞬くんが行った後、李玖はあたしに向き直って、
不機嫌な表情のまま聞いてきた。
「あ…。あおちゃんの彼氏の瞬くん…」
そう言って、李玖の顔を見ると、ちょっとだけホッとした表情になった気がする。
「ふーん、“瞬くん”に“杏ちゃん”ね。下の名前で呼び合うほど仲良いんだ」
そう言う李玖の顔はまだ不機嫌そうで。
さっきの瞬くんを思い出す。
「もしかして、ヤキモチ?」
期待に胸を膨らませて、李玖の顔を覗くと、
「な、違うしっ!」
そう言って、顔を逸らされた。
でも、耳まで真っ赤な李玖を見ると
自分の予想が当たっていたことが分かる。