あくまで天使です。
やがて何の障害もなく白いコンクリートの校舎が前方に現れた。
自転車置き場に赤いマイバイクを停め、部室へ急ぐ。
部室はグラウンドの隅にあり、校舎の陰に隠れている。
ツタが絡まった部室のドアノブを捻るとすんなり開いたので、ん?と思った。
自分が一番乗りだと確信していたので合鍵を持ってきたのが無駄になった。
しかし自分以外で朝早く来るような超真面目タイプはいない。
誰だろうといぶかしげに思いながら、半開きにしたドアに顔をのぞかせ中の様子をうかがった。