あくまで天使です。
「でっ!俺が人間ごときを幸せにして来いって命令下されたところからだよな?」
彼は若干うっとおしそうに前髪をかきあげ話を戻した。
「そいつは誰でもいい。その人間が心の底から幸福だと思えるようになるまで帰ってくんなって」
「へー」
それはそれはご愁傷さまで。
人を不幸にするのが大得意なベリアルが、幸せになんかできるはずがない。
神もそう踏んで彼に命令したのであろう。賢いじゃないか神様よ。
他人事のように私は紅茶を煽る。慣れてきたらなかなかいい味だ。
「で、お前に助けてもらったのも何かの縁だ」
いや~な予感がする。