あくまで天使です。
第二章~悪魔、ナギサ家に生息する~
一日目 初め
部屋に上がって数時間後、べリアルは悠々とリビングに入ってきた。
「おいナギサ」
「え………?なんで私の名前知ってんの?」
まだ慣れない相手へ、私は口ごもりながら訊いた。
あって数時間で同棲が決まった人に、いや天使にどういう口調で話しかけたらいいか判別がつかないのだ。
そんな私の心境に気づかぬまま彼は知人に話しかける口調のまま続けた。
「俺がしらねぇことはねぇよ。葉木 ナギサ。高校2年生。通称ナギサ。身長161。体重は」
「それ以上は言わせない!」
私はもちろん大パニックに陥った。友達ですら知らない情報をなぜあったばかりのこの天使が知っているのか。見当もつかない。